【インタビュー】シリコンバレーでの実務訓練|吉渡 匠汰さん(アメリカ カリフォルニア州)
掲載日:2019年10月26日
GAC1期生の吉渡 匠汰さんに、海外実務訓練のお話を聞きました。
基本情報
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吉渡 匠汰(よしわたり・しょうた)
応用化学・生命工学専攻 学部4年生(実務訓練時)
実務訓練先:InfiniteBio Inc. (インフィニートバイオ社)
カリフォルニア州サニーベール
期間:2019年1月4日〜2月23日
実務訓練先での取り組み内容について教えてください。
インフィニートバイオ社は、シリコンバレーでバイオ系企業のコンサルタントやコラボレートによる 技術開発などを行っている企業です。ここでの実務訓練では、各自の得意分野にあったテーマで取り組みができます。
私は、「ロジスティック線形分類器による、薬効の分類」をテーマに行いました。途中でプログラムを柔軟に改善したり、他のアルゴリズムを使用してより正確な分類に挑戦するなどして、幸い6週間の取り組みで一定の成果をあげることができました。成果がでたこともそうですが、お世話になった実務訓練先に貢献することができて、頑張った甲斐があったなと感じています。
実務訓練先はどんな雰囲気でしたか?
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実は、私は海外に行くのが今回初めてでした。実務訓練先の社長は日本人の方で、何かと私のことを気にかけてくださったので、はじめての海外でも安心感がありました。
実務訓練の進め方としては、テーマを与えられた後のやり方は私に任せてくれました。私からは定期的にフィードバックを行い、方向性を確認していました。
職場はシェアオフィスで、隣の席で仕事をする人と時々ランチを一緒にしました。私が炊飯器でご飯を炊いていたら、いい香りだね、と会話がはじまったりしました。シェアオフィスはシリコンバレーでよく見かけました。
なぜ海外で実務訓練を行おうと思ったのですか?
以前から一度海外に行ってみたい、日本から出て広い価値観を知りたい、様々な人に出会いたい、という想いを抱いていましたので、実務訓練はとても良い機会でした。
私が所属するGAC(グローバル技術科学アーキテクト養成コース)では、日本人は原則海外で実務訓練を行います。私はシリコンバレーで先端技術に触れたかったので、所属課程で派遣実績があるこちらの企業を選びました。
アメリカでの出来事でどんなことが印象に残りましたか?
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はじめての海外だったので、まず空港に降り立ってからの移動手段がわからず、困ってしまいました。その場でウーバーのアプリをダウンロードして、なんとか宿泊先にたどり着きました。赤信号で右折できることなどは驚きでしたね。
また、英語に苦手意識があったので、スターバックスコーヒーで好みのドリンクを注文できたときは、ひとつ壁を越えた気がしました。帰国前になるとウーバーのドライバーに話しかけたり、と自分から積極的に話すようになりました。
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住まいはAirbnbで見つけたところに、ドイツ人二人とシェアして暮らしていました。時にはシェアメイトに相談にのってもらうことなどもありました。職場へはバスで通っていました。
イベントにはいろいろ参加しました。ミートアップというアプリで知ったイベント、例えばゲーム開発のミートアップでVRのゲームを作ったりしましたし、他にもバイオテックイベントに参加したり、農場見学させてもらったりしました。
吉渡さんは、TUTグローバルハウスではチームITのリーダーとしてSlackを導入するなど活躍されていましたが、その経験が役に立つ場面などありましたか?
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そうですね。シェアハウスでの生活では心の準備ができていましたし、環境変化に対してストレスに潰されずに対応できる耐性があった気がします。それから、シリコンバレーでは様々なことに挑戦するようになりましたが、ひょっとするとグローバルハウスでの経験が根底にあるのかもしれません。
今回の経験で得たものと今後の抱負を教えてください。
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たくさんの人が集まるカリフォルニアで、様々な価値観や考え方に出会い、自信がつき、視野が広がり、モチベーションの向上に繋がったと感じています。すごい人たちが挑戦している姿をみて、自分も一緒になにかできそうな気がしました。
もちろん、データサイエンスに関する知識や技術を習得することができたことも、大きな財産になりました。
できることならあと1−2ヶ月くらい居たかったですし、ピッチコンテストにも行ってみたかった、など心残りもありますが、とてもよい経験でした。
私は将来的に農業の不安定さをカバーするようなサービスを世の中に提供したいと考えています。今後の研究やビジネスとしての運用を進める上で、アメリカでの経験を是非生かしていきたいです。