背景と目的
「スーパーグローバル大学構想」に取り組む背景
今日、科学技術の発展に伴う社会・経済の急速なグローバル化を背景に、国際的な課題は複雑化・多様化し、従来の国と国との関係を中心としたビジネスから、地球規模で財・資本・情報・労働力が流動する状況へと大きく変化してきています。このような激動の時代において企業がグローバル競争力を確保し持続的成長を実現する上では、その根幹を担う高度技術者の養成がきわめて重要です。
これまで、わが国における産業界の中核を担う工学系人材・高度技術者は、主として基本的な技術力と科学的素養を身に着けた学卒採用者への企業内トレーニングや、実務経験の蓄積などにより育成されてきました。
しかし、市場やビジネス環境が急速にグローバル化する社会においては、市場を創出し需要そのものを喚起するような、革新的な取り組みを起こす高度技術者が必要とされ、求められる資質・要件も従来とは大きく変化しています。
すなわち、これまで技術者に求められてきた、高い専門性を核とした技術に加えて、以下の能力を高いレベルで備えることが強く求められるようになってきています。
グローバル化社会で活躍する人材の備えるべき資質
- 高い語学力を有し、異文化を受け入れる幅広い理解と心を持ち、多様な文化・価値観の中で自らの考えを発信していくことが出来る能力
- 高い技術力と科学的素養に裏付けられた、課題を把握・分析し、解決策を構想・創造することが出来る能力
- 世界で通用する教養、チャレンジ精神、柔軟で寛容な協調性を伴うリーダーシップ
豊橋技術科学大学では、これらの資質を高いレベルで備え、グローバル社会で活躍する「実践的・創造的かつ指導的な技術者」、すなわち、グローバル社会の多様性を理解し、異なる文化・価値観をもつ人々と共に課題を共有し、社会との接点の中で技術を捉えて課題を分析するとともに、解決策を創造し、判断と意思決定を行い、具体的な「ものづくり」に導くことが出来る人材を「グローバル技術科学アーキテクト」と呼んでいます。
本学の使命・理念を踏まえ、これからの社会が必要とする「グローバル技術科学アーキテクト」を養成し、我が国産業界のグローバル競争力と持続的経済成長を根底から支える技術科学大学へと変革を遂げることが本学に課せられた使命であると考えます。
社会経済のグローバル化の変遷と、技術者に求められる要件の変化
スーパーグローバル大学構想の目的
国際通用性の高い「多文化共生・グローバルキャンパス」を実現し、技術科学で世界に貢献する高度技術者「グローバル技術科学アーキテクト」を養成。
これからのグローバル化社会で必要とされる「実践的・創造的かつ指導的な技術者」、すなわち「グローバル技術科学アーキテクト」養成のためには、従来の常識を超えた抜本的なグローバル化施策を、全学レベルで断行することが必要です。
豊橋技術科学大学は、「技術科学(技術を科学で裏付け、新たな技術を開発する学問)の教育・研究」を使命とし、「豊かな人間性と国際的視野及び自然と共生する心を持つ、実践的創造的かつ指導的技術者の育成と、次の時代を開く先端的・先導的技術の研究」を理念とする大学です。この使命・理念に基づき、これまでグローバルな社会のなかで「技術を究め、技術を創る」人材育成を目的とした以下の明確なミッションを遂行してきています。
- 高等専門学校卒業生を主対象として、わが国の産業を牽引し、グローバル時代を切り開く技術開発・研究能力を有する先導的な人材の育成
- 特色ある教育実績を活かし、グローバルに活躍し、イノベーションを創出出来る工学系人材の育成
- ASEAN諸国を中心に、本学のマレーシア教育拠点などを活用した、日本人学生の派遣・留学生受け入れ・国際共同開発・人材交流の積極的推進
豊橋技術科学大学は、大学創設以来培ってきた教育力・研究力を土台としつつ、これまで踏み込むことが出来なかった、抜本的なグローバル化施策を全学的に実施し、国際通用性の高い「多文化共生・グローバルキャンパス」を実現し、「グローバル技術科学アーキテクト」を養成する大学への変革を断行します。
10年後にあるべき豊橋技術科学大学の姿
高専生及び世界の若者を受け入れ、
技術科学で次の時代を切り拓き、
世界で活躍できる高度技術者を育成する、
大学院教育に重点をおいた技術科学大学。
言語・文化に捉われない工学教育を全学に展開し、
学生・教員・事務職員すべてがグローバル化を推進している、
国際通用力の高いキャンパス。
最終更新日:2021年09月28日